■泣きゅん子ねんど乳飲ましゅん(ナキュンシクヮネンド チィヌマシュン)
泣いて来たら、頼って来たら、だれでも助けてやりなさい。
■二才と処女や島ぬ宝(ニシェト メエレエヤ シマヌタカラ)
青年男女は島の宝である。
■当方ぬ親類ゆり近隣ぬ他人(トオハヌ キョウデエユリ スバチラヌ タニン)
遠くの親類よりも近くの他人がよい。
■似合ん釜ねん似合ん鍋(ニチュン カマネン ニチュンナベ)
夫婦は似合っている心を持っているものである。
■夫婦話や犬猫なんま聞かすな(トゥジュトバナシヤ インマユナンマ キカシナ)
夫婦間のケンカ話は犬猫にも聞かしてならない。
■夫婦ぬ七違や七蔵建てりゅん(トゥジュトヌ ナナチガイヤ ナナクラ タテリュン)
夫婦の七つ違いは七つの蔵を建てるほど幸福である。
■妻や当木
人の妻たる者は、その家に起こる波風(困ったこと)その他の全責任を持つ心掛けであれ。
■他島 関係や牛乗り馬乗り(チュンシマ マジワイヤ ウシノリ マァノリ)
他村関係は非常に係累が多く、金や物も使う。
■短や長ねんどまかりゅん(ツィキヤ ナガアネンド マカリュン)
短い物は長い物に取り巻かれる。大きい物に小さい物は利用されがち。
■他人子 愛しゆか 大道掃れり(チュンクヮ カナアシユカ フウミチサレリ)
他人の子供を可愛がるよりも大道を掃いておく方がみんなのため。
■働き出しより食出し(ハタラキジヤシ ヨリクエダシ)
働いて儲けようとするよりも食物を節約せよ。
■僧さん人ぬ一門や一門がでぃ僧り(ハゴサンヌ チュヒキヤ チュヒキガディ ハゴリ)
僧い者の一門は、一門まで憎い。
■人使役ゆん人や片目と片耳を塞れ(チュウツコユンチュウヤ カタムイト カタミンヲ クジレ)
人を使う人は見ぬふり聞かぬふりしなさい。
■人や盗っ人 夜や雨(チュヤネイスド ユルヤアメ)
人を見たら盗っ人と思え。また夜になると雨と思いなさい。
■人真似しか馬なりゅん(チュンマネシカ マァナリュン)
人の真似をすると失敗することが多い。
■人ぬ狡滑人と作物ぬ過物や物ならん(チュヌ スイギリムント ムンツクリヌ スギリムンヤ ムンナラン)
人のずる賢いものと作物の出来過ぎた物は役に立たない。
■付き合ていか兄弟(ツキオウティカ キョデエ)
親しく付き合うと他人でも兄弟のようになる。
■人ねん頼ってから臑なん馬つなぎゅん(チュネン タンバッテカラ スイネンナン マァツナギュン)
人に頼まれたらよく聞いて責任を持ってやってあげよ。
■人や鬼(チュヤウニ)
人間は鬼のようにこわいところがある。
■布や横糸から 人や妻から(ヌノヤユクイトカラ チュヤトジカラ)
反物は横糸如何により、人は妻次第で善くもなり悪くもなる。
■悪友寄り合てか剣刃遭ゆり 善友と交わてから畳表 踏みゆり(ワレドゥシ ヨリオウティカ ツルギフアオウユリ イイドゥシト マジワティカラ タタミオモテクミュリ)
悪友と付き合えばついに危険がその身に及び、善友と交われば平安その身に及ぶという意味。
■腹まがりどあん肝まがりや無ん(ワタマガリドアン キムマガリヤネン)
ひもじいゆえに悪事を為すという意味。
■愛児やよそにむませ(カナハンクヮ ヨソニムマセ)
可愛い子供は他所で修業させよ。
■食てど武士(コウテド サムレエ)
武士も食わねば何もできない。
■烏や黒はや僧らん □ねん僧りゅん(カラスヤ クルハヤ ハゴムイカラン クチネン ハゴムイカリュン)
烏はその羽色によって憎まれず、口ゆえに憎まれる。
■借りんや笑顔 返しんや泣き顔(カリンヤ ホウラア カエシンヤ ナキヅラ)
借りるときは笑顔、返すときは泣き顔。
■倹約や有ん間(ケンヤクヤ アンマ)
倹約はある間にしなさい。
■愛はん夫妻や丘上ねん立ちゅり(カナハン トゥジュトヤ オカンウィネン タチュリ)
愛し合っている夫妻は、風当たりの強い場所、生活しにくいところでも暮らすことができる。
■飢しやど甘は愛はど奇麗(フシャド マアハ カナホド キュラア)
ひもじければどんなものでもうまい。可愛ければどんなものでも奇麗に見える。
■旦那掛りゅてか 厳し旦那掛れ(だんなかありゅてか きびしだんなかあれ)
旦那を持つなら厳しい旦那がよい。
■旅や家ぬ茅壁忘んな(タビヤ ヤヌ ギャクベ ワッスンナ)
旅に出たら茅葺きの生家を忘れず辛抱しなさい。
■知恵や臍ぬ下なん持ちゅむん(タマシヤ フスヌ スウナン ムチュムン)
知恵は見せびらかさずに臍(へそ)の下に持ちなさい。
■唐人や鳥ぬうらんだくぇ(ヤテチュヤ トリヌ ウランダクェ)
唐人は鳥が内に入らぬだけの仕事しかできない。
■難儀ぬ後や御馳走(ナンギヌアトヤ ゴチソウ)
働けば後は楽に暮らせる。
■生物知りぬ大傷ぬむと(ナマモヌ シリヌ ウウキズィ ヌムト)
なまかじりは、知らないよりかえって悪い。
■物しい奇麗ど子産し奇麗(ムンシイ キュラアド クヮナ キュラア)
物事を奇麗にする者は、奇麗な子供を産む。
■物言ん者ど流橋につまりゅん(ムンイユンムンド ナガレバシニ ツマリュン)
余計なことをいうと、わざわいついに身に至る。
■親子ま家や持ち持ち(ウヤクヮマ ヤヤ ムチチムチチ)
親子も所帯は別々に持つもの。親子の馴れ合いを戒めている。 |